旅のエッセイ

炎天下のなか、えげつないエネルギーぎゅうぎゅうのダッカの街にいると、その場に立っているだけでも体力が消耗する。そんなときにはこの一杯。

お水にぎゅううっとライムを絞る。お水が濁るぐらいたっぷりと。そして、塩。これが暑さにやられた身体にめっぽう効く。ひんやりする目薬をさしたときのような「くぅ〜〜!」が、身体中に起こる。身体も熱を帯びて疲れ切ると、塩が少し甘く感じられる。とにかく全身で味わい「おいしい!」ってなる。

インドではこれにボンベから炭酸ガスをジュココッ!と直接注入してソーダ水にする屋台もあり、それもすっごくおいしかった。炭酸なしはごっくごく飲めるその清々しさが◎

ただ現地の生水なので、おなかを下しやすい人は避けたほうが賢明かもしれない。現地では見慣れちゃって気づけないけれど、帰国して写真を見返すと衛生面の不安は……ある(笑)

書籍『旅をひとさじ—てくてくラーハ日記—』書影

選りすぐりの写真とエッセイを収録!

書籍『旅をひとさじ—てくてくラーハ日記—』松本智秋 著

A5判並製・コデックス装・フルカラー・144頁
定価:本体1800円+税

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