カマキリのファイティングポーズ
本書の編集・刊行を担当した、みずき書林の岡田林太郎です。
僕の仕事部屋には世界地図が貼ってあり、小社の刊行書籍のなかで大きく取り上げた国・地域には赤い印をつけることにしています。
智秋さんの『旅をひとさじ』を刊行したおかげで、西はポルトガルから東は中国西安まで、たくさんの地名に赤丸がつきました。
目指すは書籍で全世界をめぐることです。
シリアの瓦礫の写真を載せ、IS戦闘員の温床とも言われているジョージアのパンキシ渓谷の話で終わる本書。
ほんとは、
「いろいろ落ち込むことはあるけど、旅は楽しい。ごはんは美味しい。人は愛おしい」
という読後感になる予定でした。
でも図らずもいま、本書の読後感は、
「旅は楽しい。ごはんは美味しい。人は愛おしい。でも落ち込むことばかりいろいろある」
みたいになってしまっているかもしれません。
でも僕は、こういうものを作ってせめて世界に投げかけることが、普通の市民にできる最大限の抵抗であり、戦争に対するNOであり、生活に対するYESだと思っています。
戦争はこの世界で最大の悲劇です。
意図せずこの時期にこの本を刊行したことは、結果的にわれわれの蟷螂の斧になりました。
小柄な智秋さんのカマキリのようなファイティングポーズが、この本です。
両手に振りかざしているのは斧でも銃でもなく、2台のカメラです。
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そんな智秋さんのいまの肉声をたくさんフィーチャーしたイベントを開催します。
5秒フラットで仲良くなれる旅人・松本智秋と、みんなで楽しく美味しく賑やかな時間を過ごしましょう。
楽しく、美味しく、賑やかで、ときにみんなで途方に暮れる。
小さなカマキリ兼ツアコンである智秋さんが案内する、世界をめぐる本の旅。
みなさまのご参加をお待ちしています!